【下級裁判所事件:名誉毀損/大阪高裁2刑/令2・9・14/令2( )46】結果:棄却

裁判所の判断(by Bot):

1原判決が,本件発言中の「朝鮮学校」とはA学校を指し,被告人もそのことを認識していたと認定し,それを前提に本件発言につき真実性の証明及び真実であると信じたことについて相当な理由がないとして被告人を有罪としたのは正当であり,その理由について「弁護人の主張に対する判断」の項で述べるところも相当であって,原判決に事実の誤認や法令適用の誤りはない。
2弁護人は,本件当日の本件現場において被告人が言及した「朝鮮学校」には,原審甲3号証の表示時刻「8分02秒」及び「10分07秒」の発言のように明らかに朝鮮学校一般を指して言ったものがあることから,本件発言中のA学校のことを指す「朝鮮学校」は,朝鮮学校の具体的な例示にすぎないことは通常の国語力のある一般人であれば容易に理解できるはずであると主張する。しかしながら,弁護人の指摘する発言は,いずれも本件発言とは異なる文脈におけるものであって,同じ「朝鮮学校」という言葉であっても意味が異なることは前後の文脈から明らかである。このような発言から本件発言の意味内容を判断することはできない。弁護人は,原判決が,本件発言はA学校のことを指して言ったものであると認定したのは,一方で,本件発言の意図について,朝鮮学校一般及び朝鮮総聯そのものを糾弾することと認定していることと合っておらず不自然であるし,本件発言の目的について,主として日本人拉致事件に関する事実関係を一般に明らかにするというもので,公益を図る目的があったと認定していることとも矛盾していると主張する。しかしながら,被告人は全ての朝鮮学校は朝鮮総聯に支配された一体的なものとみなしていると認められるところ,そのような被告人の認識を前提とすれば,前記のような意図であっても,A学校のことを指して本件発言をすることも不自然ではないし,A学校を運営する法人の名誉が害されるこ(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/730/089730_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89730