【下級裁判所事件:危険運転致傷(予備的訴因過失運転致 )/大阪高裁3刑/令2・9・10/令1(う)682】結果:棄却

裁判所の判断(by Bot):

そこで,原審記録に基づき検討すると,原判決がD証言の信用性を認めるとともに,これに反するC証言の信用性を排斥し,主にD証言に依拠して,争点1及び2のいずれの点も検察官の主張を認めて,被告人には本件注意義務に違反した過失があるとした原判決の認定判断は,その理由として説示するところを含め,正当なものとして是認することができる。以下,弁護人の主張に鑑み,補足して説明する。 1前提事実
以下の事実は,原審記録から認められ,当事者間でも概ね争いがない。被告人の糖尿病等被告人は,かねてから,血糖値を下げる働きをするインスリンの分泌が完全に枯渇した1型糖尿病患者であり,インスリン注射により血糖値を下げる治療を続けていたところ,平成11年頃からは,主治医であるC医師の指導の下で,治療を行っていた(差戻前第1審第3回公判調書と一体となるC医師の証人尋問調書1頁ないし2頁,差戻後第1審第2回公判調書と一体となるC医師の証人尋問調書1頁ないし2頁。以下「前C312,後C212」などと略記する。)。被告人の日頃の血糖値管理糖尿病治療においては,糖尿病細小血管合併症(網膜症,腎症,神経障害)及び動脈硬化性疾患(冠動脈疾患,脳血管障害,末梢動脈疾患)の発症,進展を阻止するため,血糖値等の良好なコントロール状態の維持が必要とされ,合併症予防のための目標値としては,過去一,二か月の平均血糖値を反映する血糖コントロール状態を示す指標であるHbA1c値が7%未満とされ,この値に対応するおおよその目安となる血糖値は,空腹時の血糖値が130mg/未満,食後2時間の血糖値が180mg/未満である(差戻後第1審甲7号証。以下「後甲7」などと略記する。)。一方,血糖値のコントロールにおいては,常に低血糖の危険性があることを念頭に置きながら治療を受ける必要があるともされており,血糖値が(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/745/089745_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89745