【下級裁判所事件:談合/東京高裁3刑/令2・9・16/令1(う)1823 】結果:破棄自判

裁判所の判断(by Bot):

そこで検討すると原判決は,「公正な価格を害する目的の有無」という事実認定上の争点に関する当事者の主張等を踏まえ,上記争点の判断に当たっては,被告人が本件工事をAで受注したいという積極的な受注意思を有していたか否かが判断の中心になるとしているのであって(なお,原審記録によれば,原審裁判所は,第4回打合せにおいて,「論点は,公正な価格を害する目的の前提となる被告人の積極的受注意欲の有無と考えている」旨述べており,積極的な受注意思は,被告人について,公正な価格を害する目的の有無を判断するに当たり,判断の前提となる事実であるという考え方を示したものと解される。),「公正な価格を害する目的」が認められるためには,入札の対象となった工事に関する積極的な受注意思が必要であるという法令解釈を示したものとはいえない(なお,所論は,公正な価格を害する目的に関する正当な解釈を前提にすると,原判決が判断の基礎とした事実経過を前提としても,被告人に公正な価格を害する目的があったと認定できるとも主張する。この点の所論は,被告人が,Dらと連絡を取り,Dらが所属する5社は予定価格よりも低い価格で入札することはないと認識したため,予定価格を若干下回る金額で入札すれば,本件工事を落札できると考え,上記金額をAの入札価格としたとするものであって,談合がなければ,被告人はより低い価格で入札したはずであるという前提に立っているが,原判決は,本件工事を受注したくなかったが,入札が不調に終わるのを回避するため,協会の会長としての責任感から入札をしたという被告人の供述を排斥することはできず,被告人は,もともと低い価格で入札することは考えていなかったとしているのであるから,所論は,判断の基礎となる事実関係について,原判決と同じ前提に立つものとはいえない。)。法令適用の誤りの(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/799/089799_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89799