【下級裁判所事件:損害賠償請求控訴事件/大阪高裁12民/ 2・10・16/平30(ネ)2347】結果:棄却

要旨(by裁判所):
子を殺害したとして有罪判決を受け,20年の除斥期間経過前に子の死亡を原因とする損害賠償請求権を行使することができなかった母親が,再審公判における無罪判決確定後6か月以内に損害賠償請求訴訟を提起した事案について,除斥期間の経過により損害賠償請求権が消滅することを定めた民法724条後段(平成29年法律第44号による改正前のもの)は,加害者が権利者の権利行使を意図的に妨害した場合など,これを適用することが著しく正義・公平の理念に反するときはその適用が制限されるが,本件では,被告とされた会社の従業員等が母親の刑事事件や再審開始決定に対する即時抗告審において母親の権利行使を意図的に妨害したなどと認めるには足りないと判断し,除斥期間の経過を理由として損害賠償請求を棄却したもの

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/816/089816_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89816