【下級裁判所事件:過失運転致死,道路交通法違反被告事 件/福岡地裁2刑/令2・10・26/令1(わ)1017】

争点(by Bot):
1被告人は,第1回公判期日において,第1の事実につき,同事実記載の日時場所を普通乗用自動車を運転して通行したこと,X(以下「被害者」という。)が同事実記載の傷害を負って死亡したことは認めるが,自分が被害者を轢過したわけではなく,前方の安全確認もしていたと陳述するとともに,第2の事実につき,靴を轢いたと思っており,人を轢いたという意識はなかった旨陳述し,弁護人もこれに沿う主張をしている。したがって,本件の争点は,1被告人が被害者を轢過したかどうか(犯人性),2被告人の過失の有無,3被告人が被害者を轢過したことの認識の有無の点である。2ところで,上記争点1については,本件では,被害者が事故に遭った際の状況を直接目撃した者はなく,本件事故現場の路面や被告人車両に残る痕跡,被害者の遺体の損傷状況等からその事故状況を推定していくしかないところ,検察官は,本件事故現場の実況見分を行った福岡県警察本部交通部交通捜査課のA警察官と被害者の遺体の司法解剖を行ったB医師がそれぞれ本件事故態様を推定した結果に基づき,被告人車両が被害者を轢過したものである旨を主張している。これに対し,弁護人は,被告人車両に残る損傷ないし痕跡の大部分は本件事故とは無関係のものであり,(唯一被告人車両が被害者を轢過したことの決定的な根拠となり得る)左前輪内側サイドウォールに付着した皮脂様物質から被害者のDNA型と一致する人由来物質が検出されたことについては,別車両が被害者を轢過した後に,被告人車両が被害者の安全靴のみを轢いた際に付着した可能性があるなどと主張している。3当裁判所は,上記争点1につき,A警察官及びB医師の証人尋問のほか,被害者の安全靴のDNA型鑑定を行った福岡県警察科学捜査研究所のC技官の証人尋問も実施するなどした上,当事者双方の上記主張を踏まえて慎重に検討したが,本(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/885/089885_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89885