事案の概要(by Bot):
本件は,控訴人らが,通信教育事業等を営む被控訴人ベネッセに個人情報を提供していたところ,被控訴人ベネッセからその管理を委託されていた被控訴人シンフォームが更に外部業者に再委託をし,そこから更に業務委託を受けた先の会社の従業員において,私物スマートフォンを用いて当該個人情報を不正に取得し,それらを第三者に売却して外部に漏えいさせたことにつき,1被控訴人らには控訴人らの個人情報の管理に係る注意義務違反があった,2被控訴人シンフォームは前記従業員の使用者であり,前記従業員の行為につき使用者責任を負う,3被控訴人ベネッセは被控訴人シンフォームの使用者であり,被控訴人シンフォームの注意義務違反につき使用者責任を負うなどと主張して,被控訴人らに対し,プライバシーの侵害による共同不法行為又は使用者責任等に基づき,連帯して,控訴人らが被った精神的苦痛に対する慰謝料等の損害賠償金(上記漏えいの当時成年であった控訴人らにつき各5万円,未成年であった控訴人らにつき各10万円)及びこれに対する不法行為の後の日である平成26年7月7日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
2原審は,前記従業員が控訴人らの個人情報を漏えいした当時,被控訴人シンフォームには,個人情報の不正な漏えい行為を防止するためにスマートフォンを用いた書き出し制御措置を講ずべき注意義務に違反した過失があり,被控訴人ベネッセには,被控訴人シンフォームに対する適切な監督をすべき注意義務に違反した過失があると認められるから,被控訴人らには前記個人情報の漏えいにつき共同不法行為が成立するが,控訴人らには慰謝料請求権を認め得るほどの精神的苦痛が生じたと認めることはできないとして,控訴人らの請求をいずれも棄却した。これに対し,控訴人らが控訴をし,前記第1のとおりの判決を求め(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/930/089930_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89930