【下級裁判所事件:非認定処分取消請求控訴事件/仙台高 2民/令2・12・14/令2(行コ)11】

要旨(by裁判所):
あはき師法附則19条1項により、「当分の間」の措置として、視覚障害者以外の者を対象とするあん摩マッサージ指圧師の養成施設等の新設及び定員増加が制限され、その結果、その新設ないし定員増加が実際上認められない状況にあるとしても、昭和39年の立法後、半世紀を経た今もなお、重い視覚障害を有する者の多くが、あん摩マッサージ指圧師の業務に依存している実情にあることからすれば、視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするという同項の規制の合理性が失われているとはいえない。
当分の間、文部科学大臣又は厚生労働大臣は、あん摩マッサージ指圧師の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合、あん摩マッサージ指圧師に係る学校又は養成施設において教育し、又は養成している生徒の総数のうちに視覚障害者以外の者が占める割合その他の事情を勘案して、視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があると認めるときは、あん摩マッサージ指圧師に係る学校又は養成施設で視覚障害者以外の者を教育し、又は養成するものについての新設の認定又はその生徒の定員の増加についての承認をしないことができると定め、視覚障害者以外の者を対象とするあん摩マッサージ指圧師の養成施設等の設置及び定員増加を制限することを認めた附則19条1項の規定は、本件処分時においても、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であって、公共の福祉のために必要な制限であり、憲法22条1項に反して職業選択の自由を侵害するものとはいえない。附則19条1項の規定によりあはき師の養成施設の新設を認定しなかった本件処分は、違法とはいえない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/959/089959_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89959