【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/令3・2・ 18/令2(行ケ)10029】

理由の要旨(by Bot):

本件審決は,本件発明を原告の主張する無効理由1(サポート要件違反)及び無効理由2(明確性要件違反)によって無効にすることはできないと判断した。その理由の要旨は,後記及びのとおりである。 無効理由1(サポート要件違反)について
ア原告の主張は,本件明細書の発明の詳細な説明につき,1亜糊粉細胞層が米粒表面に露出している事実が実証されていない,2わずか一層の亜糊粉細胞層を米粒の表面に露出した状態の精白米を製造可能な方法の記載がない,3精米工程の最中に白度を検出する精米機の制御方法の記載がない,4米粒の表面に亜糊粉細胞層が露出していることを確認する手段についての記載がない,5亜糊粉細胞層が表面に露出している精白米から亜糊粉細胞層を全く脱落させることなく肌ヌカのみを分離除去する方法の記載がない旨をいうものである。
イ本件発明の課題は,白米でありながら,米粒の亜糊粉細胞層と胚盤を残して,旨み成分と栄養成分を保持した無洗米とその製造方法の提供である。本件明細書には,1本件発明の課題解決には高栄養・良食味の亜糊粉層と胚盤等が残るように亜糊粉細胞層が露出したときに搗精を終えるようにすることが必要であること,2摩擦式精米機により亜糊粉細胞層が表面に露出するように搗精された米粒を得ることができること,3白度やマルトオリゴ糖の含有量を指標に精米工程を実施すれば,亜糊粉細胞層が表面に露出した状態の米粒を得ることができること,4無洗米機を用いれば亜糊粉細胞層や胚盤を流出させずに肌ヌカを除去することができること,5上記精米工程や肌ヌカ除去工程を経て得られる無洗米の食味や栄養価が優れていることが記載されており,当業者が上記課題を解決することができると認識できる。したがって,本件発明は,いずれも発明の詳細な説明に記載された発明であるといえ,前記ア1ないし5の原告(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/040/090040_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=90040