【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平24・8・28/平23(行ケ)10381】原告:日本ロレアル(株)/被告:Y

裁判所の判断(by Bot):
ア「発明」とは,「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」ものである。上記(1)アのとおり,本件発明は,棒状化粧料を収容する繰り出し容器に関するものであり,内筒部(4)の外壁に設けられた水平方向に突き出した突片部(6)が,内筒部(4)を外筒部(3)に収容する際に,外筒部(3)に押し倒されて斜め下方に変形し,分別時においても変形していることで,使用済み確認を可能にしたとの構成を有するものである。すなわち,突片部(6)の変形特性を用いている点で,自然法則の利用性が認められ,この変形の状態に基づき使用済み確認をおこなうという点で,技術的思想の創作性が認められる。そして,上記(1)イのとおり,本件発明は,課題を解決するために解決手段を講じ,それによって,作用効果を奏することは明らかである。よって,本件発明は,特許法上の「発明」に該当するというべきである。
イ 原告の主張について
(ア)原告は,本件発明の解決課題を「繰り出し容器から分別された部材について,被繰り出し物の用途に応じてリユースをしてはいけない場合や,衛生面に特に配慮が必要な部材を分別後,又は,部材洗浄後にも特定可能とすること」であると理解すべきことを主張の前提とする。しかし,上記(1)イ認定の事実によれば,本件発明の解決課題は,容器の分別後に,分解した部材が使用済みであることを知らせ,使用済みか否かを確認できるようにし,それによって,衛生面等の理由でリユースした容器を使用することが望ましくないような場合には,使用済みの容器の使用を控える等の判断ができるようになる繰り出し容器を得ることであると解される(【0008】,【0010】)。これに対し,原告は,リユースをしてはいけない場合や衛生面に特に配慮が必要な部材かどうか自体を,分別後等にも特定可能とすることが本件発明の解決課(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120831112815.pdf



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