【下級裁判所事件:強制執行妨害目的財産損壊等,非現住 建造物等放火/名古屋地裁岡崎支部/令3・8・17/令2(わ)238】

争点(by Bot):
本件公訴事実の要旨は,「被告人両名は,名古屋地方裁判所岡崎支部により差押えを受けていた被告人A所有の愛知県刈谷市a町b丁目c番地d所在の家屋(以下「本件家屋」という。)に居住していたものであるが,同家屋に対する担保権の実行としての不動産競売を妨害する目的で同家屋に放火しようと考え,共謀の上,平成31年1月31日午前1時50分頃,同家屋1階和室において,何らかの方法で点火して火を放ち,その火を同室の壁面等に燃え移らせ,よって,同家屋を焼損させ,もって差押えを受けた現に人が住居に使用せず,かつ,現に人がいない建造物を焼損するとともに,強制執行を受けるべき財産を損壊した」というものである。被告人Aが所有し,被告人両名が居住していた本件家屋が火災(以下「本件火災」という。)により焼損したことに争いはないところ,1本件火災は放火によるものか(事件性),2放火は被告人両名によるものか(犯人性,共謀),3被告人両名に「不動産競売(強制執行)を妨害する目的」があったといえるか(目的)が争点である。当裁判所は,本件火災は,被告人両名のうち少なくともいずれか1名によって放火されたことによるものであるが,被告人両名の共謀を認定することはできないため,被告人両名はいずれも無罪であると判断したので,以下にその理由を補足して説明する。なお,特に記載がない限り,以下の日時は全て平成31年1月31日を指す。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/623/090623_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=90623