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Archive by category 最新判例(審決取消以外)
要旨(by裁判所):
1憲法は,投票価値の平等を要求しているが,投票価値の平等は,選挙制度の仕
組みを決定する絶対の基準ではなく,国会が正当に考慮できる他の政策的目的な
定につき国会に広範な裁量が認められている。国会が選挙制度の仕組みについて
具体的に定めたところが,投票価値の平等の確保という憲法上の要請に反するた
め,上記裁量権を考慮してもなおその限界を超えており,これを是認できない場
合に,初めてこれが憲法に違反することになると解すべきである。
2平成28年法律第49号(平成28年改正法)は,その本則において,平成3
2年以降10年ごとに行われる大規模国勢調査に基づく改定案の作成については
日本国民の人口の較差が2倍未満となるようにして,行政区画,地勢,交通等の
事情を総合的に考慮して合理的に行い,都道府県別定数配分はアダムズ方式によ
ることとし,その中間年に行われる簡易国勢調査の結果,その最大較差が2倍以
上になったときは,都道府県別の選挙区数を変更せず,衆議院議員選挙区画定審
議会(区画審)が較差是正のため選挙区割りの改定案の作成及び勧告で対応する
というものである(新区割基準)。新区割基準のうち人口の較差に係る部分は,
投票価値の平等と相容れない作用を及ぼすに至っているなどといえず,投票価値
の平等の要求に反しないといえる。新区割基準のうち都道府県別定数配分の方式
については,都道府県の人口を一定の数値で除した商の整数に小数点以下を切り
上げた数を都道府県別の議席数とするため,各都道府県に必ず定員1人が配分さ
れるが,小数点以下の数値をすべて切り上げることは端数処理としてみると合理
的な手法の一つであり,人口に比例して各都道府県に定数を配分することに変わ
りはなく,投票価値の平等と相容れない作用を及ぼすに至っているなどとはいえ
ず,投票価値の平等の要求に反するものではないといえる。
平成28年改正法は,その附則において,新区割基準により選挙区が改定され
るまでの特例措置として都道府県別定数配分については平成27年国勢調査人口
を基にアダムズ方式により各都道府県の定数を算定した場合に減員となる都道府
県のうち,議員1人当たり人口の最も少ない都道府県から順に6県を選択してそ
の定数を1人ずつ減らすにとどめ,選挙区割改定については平成27年国勢調査
に基づき算定された人口比最大較差を2倍未満にし,平成32年見込人口に基づ
き算定された人口比最大較差も2倍未満とすることを基本としている(本件区割
基準)。本件区割基準のうち都道府県別定数配分の方式については全都道府県に
つきアダムズ方式に基づき定数を配分したものではないものの,平成28年改正
法制定時には約4年後に大規模国勢調査が控えていて,その実施前に全都道府県
につきアダムズ方式により都道府県別定数配分を見直せば,立て続けに都道府県
別定数配分が改定される事態に陥るため,特例措置としてアダムズ方式導入を見
合わせることも,国会の裁量権の行使として合理的であること,本件区割基準に
おいては選挙区の改定に当たり平成27年国勢調査人口における較差の是正のみ
ならず平成32年見込人口における較差の是正も図られていて,アダムズ方式導
入までの間も可能な限り投票価値の平等を実現しようと努めており,現に本件選
挙当日における各選挙区間の選挙人数の最大較差が,小選挙区比例代表並立制の
開始以降,最も低いことに照らせば,本件区割基準も,平成24年改正前区画審
設置法3条1項等の趣旨に沿っており,1人別枠方式の構造的な問題の解決を指
向したものであるといえる。
よって,平成29年10月22日施行の衆議院議員総選挙当時,本件区割基準
に従って選挙区割りが定められた選挙区間における投票価値の不均衡は,違憲の
問題が生じる程度の著しい不平等状態にあったとはいえない。
3したがって,原告らの請求は,いずれも理由がない。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/552/087552_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87552
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裁判所の判断(by Bot):
1 原告は,請求原因として,次のとおり述べた。
(1) 当事者
原告は,自賠責保険法に関する手続の代行業務(以下「本件業務」という。)を主たる目的とする法人であり,全国に姉妹事務所を展開し,同業務等を行っている。 被告は,熊本県にて,A交通事故行政書士事務所(以下「被告事務所」という。)の代表として,本件業務等を行う者である。
(2) 被告の行為
ア 他人の特定商品等表示
原告は,平成18年5月8日に設立されており,平成28年1月18日時点で,Googleのウェブ検索において「後遺障害 行政書士」「自賠責 行政書士」というワードで検索した場合,それぞれ,原告のホームページは表示順位上位から2番目に表示される(甲8の1・2)。 また,原告は,平成18年5月8日から現在まで,「yonetsubo」等の標章を使用して,本件業務を行っている。
したがって,「yonetsubo」は,原告の業務にかかる標章を表示するものとして,原告の特定商品等表示にあたる。
イ 特定商品等表示と類似するドメイン名の使用
(ア) 被告は,遅くとも平成25年1月21日から現在まで,「http:// 以下省略」というアドレス(以下「本件ウェブアドレス」という。)を用いて被告事務所のホームページを管理運営し,また,遅くとも同月30日から現在まで,被告事務所のホームページ及び被告事務所を紹介するウェブページ上で,「●(省略)●」というメールアドレス(以下「本件メールアドレス」という。)を電子メールでの問合せ先として掲載している(甲2,3及び7の1ないし3)。
(イ) 本件ウェブアドレス及び本件メールアドレスには,「yonetsubok.com」というドメイン名(以下「本件ドメイン名」という。)が含まれており,被告は,本件ドメイン名を,インターネット上で,自己が管理するサーバーを(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/551/087551_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=87551
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事案の概要(by Bot):
本件は,普通地方公共団体である川西市が,幼保連携型認定こども園を整備
する事業を行うため,社会福祉法人に対して土地(普通財産)を貸与(平成28年10月から平成29年3月までは使用貸借,同年4月から平成79年3月までは賃貸借)したところ,同市の住民である原告らが,上記土地は上記事業の用地として不適当である,上記法人は適正な時価による貸付料を支払っていないなどと主張して,同市の執行機関である被告を相手に,地方自治法242条の2第1項1号に基づき,上記事業に係る支出及び地方債の起債の差止め(上記第1の1)を,同項3号に基づき,上記賃貸借契約を解除しないという怠る事実が違法であることの確認(同2)を,同項4号に基づき,上記法人に対し,上記土地の適正な賃料に相当する額又はこれと上記賃貸借契約の実際の賃料との差額につき,損害賠償又は不当利得返還の請求をすること(同3)をそれぞれ求める事案(住民訴訟)である。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/550/087550_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87550
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要旨(by裁判所):
北海道議会の会派及び北海道議会議員が北海道から交付を受けた政務調査費に関して,北海道の住民で構成される団体が,北海道議会の一部の会派及び北海道議会議員が地方自治法その他の使途基準に違反して支出して不当に利得しているにもかかわらず,北海道知事がその返還請求権の行使を違法に怠っていると主張して,北海道知事に対し,その返還請求をするよう求めたのに対し,上記会派及び上記同議会議員による政務調査費の一部に違法があるとして,上記請求の一部を認容した事例
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/549/087549_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87549
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事案の概要(by Bot):
本件は,原告が,被告神社本庁から被告宇佐神宮の神職である権宮司を免職され,被告宇佐神宮から解雇されたことを契機に,原告と被告宇佐神宮との間で,解雇日までの未払給与の有無及び額,労働契約上の地位等が争われ,併せて,原告と被告らとの間で,被告宇佐神宮における原告に対する嫌がらせ,監視観察,暴言,暴行等のパワーハラスメントを理由とする損害賠償責任の有無が争われている事案であり(以上,本訴事件),被告宇佐神宮と原告との間で,原告が居住し,被告宇佐神宮が所有する建物について原告の占有権原等が争われている事案である(以上,反訴事件)。本訴事件及び反訴事件の請求の概要は,次のとおりである。 (1)本訴事件
ア原告が,被告宇佐神宮に対し,平成25年6月16日から解雇日である平成26年5月15日までの賃金について被告宇佐神宮が行った欠勤控除には理由がないとして,労働契約に基づき,前記期間に係る未払賃金及びにこれに対する同年4月分の賃金(同年4月16日から同年5月15日までの賃金)の支払日である同年5月23日までの確定遅延損害金合計565万9410円及び内金である未払賃金元金386万4200円に対する同月24日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(前記第1の1(1)記載の請求)
イ原告が,被告宇佐神宮に対し,被告神社本庁が原告に対して平成26年5月15日付けでした被告宇佐神宮の神職である権宮司からの免職及び被告宇佐神宮が原告に対して同日付でした解雇はいずれも無効であるとして,労働契約上の地位にあることの確認並びに解雇日以降の賃金及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める請求(前記第1の1(2)(3)記載の請求) ウ原告が,被告らに対し,原告は,被告宇佐神(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/546/087546_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87546
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判示事項(by裁判所):
1処分行政庁が情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する一部不開示決定(本件旧決定)を取り消して,改めて一部不開示決定(本件新決定)をした場合における本件旧決定の不開示部分取消訴訟の訴えの利益の有無
2大阪労働局需給調整指導官作成に係る事業所への指導監督記録及び同事業所作成に係る是正報告書等に記載された情報の情報公開法5条1号,2号イ及び6号イ所定の不開示情報該当性の有無
要旨(by裁判所):原告が,大阪労働局長に対して,情報公開法に基づき,大阪労働局需給調整指導官による事業所への指導監督記録及び事業所による是正報告書等の開示を求めたところ,大阪労働局長が対象文書には同法5条1号,2号イ及び6号イ所定の不開示情報が記載されているとして一部不開示決定(本件旧決定)をし,その後,本件旧決定を取り消す(本件取消決定)とともに,本件開示請求につき改めて一部開示決定(本件新決定)をしたことから,原告が,本件旧決定及び本件新決定の不開示部分の取消し,開示決定の義務付け及び国家賠償を求めた事案について,本件旧決定は,本件取消決定により遡及的に効力を失っているから取消しの訴えの利益を欠き,本件新決定は適法であるとして,本件旧決定の取消し及び義務付けの訴えを却下し,本件新決定の取消し及び国家賠償請求を棄却した事例
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/543/087543_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87543
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事案の要旨(by Bot):
本件は,被告の従業員であった原告が,被告が保有していた特許第2869978号の特許(以下「本件特許」という。)に関し,原告は本件特許に係る発明(本件特許の願書に添付した明細書の特許請求の範囲の請求項1記載の発明。以下「本件発明」という。)の発明者であるとして,被告に対し,特許法35条(平成16年法律第79号による改正前のもの。以下同じ。)3項の規定による相当の対価の支払請求権(以下「本件対価請求権」という。なお,原告は,特許法35条1項から4項までの条文に書かれている「相当の対価」を請求すると主張するところ,特許法35条において「相当の対価」との文言が使用されているのは同条3項のみである。)に基づき,1000万円の支払を求めた事案である。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/542/087542_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=87542
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事案の概要(by Bot):
1 本件は,別紙3著作物目録記載の各映画の著作物(以下,同目録の番号に対応して「本件著作物1」などといい,併せて「本件各著作物」という。)の著作権者であると主張する原告が,氏名不詳者(後述する本件各動画の番号に対応して,「本件投稿者1」などといい,併せて「本件各投稿者」という。)が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト「FC2動画アダルト」(以下「本件サイト」という。)にアップロードした別紙2動画目録記載の各動画(以下,同目録の番号に対応して「本件動画1」などといい,これらを併せて「本件各動画」という。)について,本件各動画は,それぞれ対応する番号の本件各著作物の複製物であるから,本件各投稿者による上記各アップロード行為により原告の有する本件各著作物の著作権(公衆送信権)がそれぞれ侵害されたことが明らかであり,本件各投稿者に対する損害賠償請求権の行使のために本件各動画に係る別紙1発信者情報目録記載の各情報(以下「本件各発信者情報」という。)の開示を受ける必要があると主張して,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下,単に「法」という。)4条1項に基づき,被告に対し,本件各発信者情報の開示を求める事案である。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/541/087541_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=87541
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事案の概要(by Bot):
本件は,別紙3商標目録記載の各商標登録(以下,その登録商標を,個別には同目録の番号に対応して「本件商標1」などといい,これらを併せて「本件各商標」という。)に係る各商標権(以下,個別には同目録の番号に対応して「本件商標権1」などといい,これらを併せて「本件各商標権」という。)を有する原告が,別紙1被告標章目録記載1の標章(以下「被告標章1」という。)は本件商標1に類似し,同目録記載2の標章(以下「被告標章2」といい,被告標章1と併せて「被告各標章」という。)は本件商標2に類似するから,被告が被告各標章を付したハンドバッグ,ショルダーバッグ等の各種バッグ(以下「被告バッグ」という。これらはいずれも本件各商標権に係る指定商品に該当する。)を輸入し,製造し,販売し,販売のために展示すること(以下,これらの行為を併せて「販売等」という。)は,いずれも本件各商標権を侵害するとみなされる行為に当たる,本件各商標は原告の商品等表示として需要者の間に広く認識されているから,被告による被告バッグの販売等は,不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項1号の不正競争行為にも当たる(なお,原告が同号の商品等表示として特定した表示は,実際の使用態様ではなく,登録商標である本件各商標自体である。),被告バッグのうち別紙2被告製品目録記載のショルダーバッグ(以下「被告ショルダーバッグ」という。)は,別紙4原告製品目録記載のショルダーバッグ(以下「原告ショルダーバッグ」という。)の形態を模倣したものであるから,被告による被告ショルダーバッグの販売等は,不競法2条1項3号の不正競争行為に当たると主張して,被告に対し,?商標法36条1項又は不競法3条1項に基づき,被告各標章を付した製品(なお,原告は,請求の趣旨において「製品」という各種バッグに限られない表現を用いるものの,被告バッグ以外の製品につき請求原因を主張していない。)及び被告ショルダーバッグの販売等の差止めを求め(なお,原告は,不競法3条1項に基づいて,同法2条1項1号,3号の規定しない「製造」の差止めを求めることができるとする理由を述べていない。),?商標法36条2項又は不競法3条2項に基づき,被告各標章を付した製品及び被告ショルダーバッグの廃棄を求めるとともに,?商標権侵害の不法行為による損害賠償請求権又は不正競争行為による損害賠償請求権に基づき,損害賠償金1980万円及びこれに対する不法行為及び不(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/540/087540_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=87540
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要旨(by裁判所):
大学院生に対する退学処分が適法と判断された事例。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/539/087539_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87539
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事案の要旨(by Bot):
本件は,D高等学校(D高校)の1年生であった一審原告Aが,平成23年3月11日,D高校で開催された武道大会(本件大会)における柔道の試合において,試合中に左側頭部から畳に衝突し,頸髄損傷及び頸椎脱臼骨折の傷害を負い,重度四肢麻痺等の身体障害者等級表による等級1級の後遺障害を残した事故(本件事故)について,一審原告らが,D高校を設置する一審被告に対し,一審原告らは,公権力の行使に当たるD高校の教諭らには,生徒に対する柔道の指導にあたり,その練習や試合によって生ずるおそれのある危険から生徒を保護するため,常に安全面に十分な配慮をし,事故の発生を未然に防止すべき注意義務(安全配慮義務)があるところ,柔道固有の危険性を看過し,試合形式による武道大会を漫然と開催し,生徒に対して柔道の危険性や安全な技のかけ方に関する具体的な指導を怠り,武道大会のルールを規律して危険な技を制限するなどの措置を講じるのを怠り,試合に際して危険性の高い行為が行われた場合に備えて直ちに試合を制止する態勢を構築することを怠ったことによって本件事故を発生させたと主張して,国家賠償法1条1項に基づき,それぞれ次のとおりの支払を請求する(請求1)。 ア一審原告A
治療費,付添費,将来介護費,通院交通費,家屋等改造費,逸失利益,慰謝料,弁護士費用等の損害賠償金2億6254万1671円及びこれに 対する本件事故日である平成23年3月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金
イ一審原告Aの父である一審原告B及び母である一審原告C
本件事故による固有の慰謝料等として,一審原告Bについて,333万8731円及び一審原告Cについて300万円並びにこれらに対する上記アと同じ遅延損害金 一審原告らは,柔道の授業を実施すれば不可避的に死亡ないし傷害事故が発生するところ,一審被告はそれを知り(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/538/087538_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87538
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事案の概要(by Bot):
本件は,平成29年10月22日に施行された衆議院議員総選挙(以下「本件選挙」という。)について,宮崎県第1区ないし第3区及び鹿児島県第1区ないし第4区の選挙人であった原告らが,衆議院小選挙区選出議員の選挙(以下「小選挙区選挙」という。)の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反して無効であるから,これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟である。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/537/087537_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87537
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判示事項(by裁判所):
緊急措置入院患者本人から東京都個人情報の保護に関する条例(平成27年東京都条例第140号による改正前のもの)に基づいてされた緊急措置入院に係る診療記録の開示請求について,診療記録中「現病歴」欄の記載は同条例16条6号の非開示情報に該当しないとして,不開示決定の一部を取り消した事例
要旨(by裁判所):東京都知事が緊急措置入院をさせた患者本人から東京都個人情報の保護に関する条例(平成27年東京都条例第140号による改正前のもの)に基づいてされた緊急措置入院に係る診療記録の開示請求について,実施機関は,措置入院制度の性質上,開示することにより,診断及び治療に関する業務の適切な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため,同条例16条6号の非開示情報に該当するとして「現病歴」欄の記載を開示しないとしたが,(1)情報源となった第三者(本人の両親及び警察官)との信頼関係が損なわれるおそれがあるとする点については,同条7号本文の要件も参照すべきところ,本人の両親が本人に開示することを了解する旨の同意書を提出しているなどの事情の下で,これを開示することによりその信頼を不当に損なうことになるとは認められず,警察官から提供された情報の部分も情報を提供した警察官も特定することが困難であるという事情の下で,精神保健及び精神障害者福祉に関する法律23条による通報義務を負う警察官との信頼関係も直ちに損なわれるとは認められず,(2)医師が患者本人の感情や反応を考慮する結果,診療記録の記載内容が形骸化するおそれがあるとする点については,患者の現病歴は,同法の委任を受けた厚生労働大臣の定める基準において,精神保健指定医が患者の緊急措置入院を認めるに当たり考慮するものとする事項とされていて,緊急措置入院が適法であったことを証する上で記録化することを避けられない事項であると考えられるから,その記載内容が形骸化する具体的なおそれがあるということはできないとして,その不開示決定部分を取り消した事例
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/536/087536_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87536
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判示事項(by裁判所):
1第一種市街地再開発事業の施行区域内の建物に係る賃貸借契約が明渡期限より前に解約され,明渡期限まで別の賃借人との間で新たに定期建物賃貸借契約が締結されていた場合において,上記賃貸借契約と上記定期建物賃貸借契約との明渡期限までの家賃の差額が,都市再開発法97条1項にいう「通常受ける損失」に当たらないとされた事例
2第一種市街地再開発事業の施行区域内の建物に係る賃貸借契約が明渡期限より前に解約され,明渡期限まで別の賃借人との間で新たに定期建物賃貸借契約が締結されていた場合において,明渡期限後の家賃の減収分の補償額につき,同事業における補償基準等によるのではなく,同補償基準等に定められた空室補償に相当する金額によるとされた事例
要旨(by裁判所):1第一種市街地再開発事業の施行区域内の建物に係る賃貸借契約が明渡期限より前に解約され,明渡期限まで別の賃借人との間で新たに定期建物賃貸借契約が締結されていた場合において,上記賃貸借契約の解約通知がされた日及び上記賃貸借契約が終了した日は,それぞれ明渡期限の約2年6か月前及び約2年前のことであり,賃借人において上記賃貸借契約を解約した主たる理由が,不確定な事業スケジュールに煩わされることなく,本社機能の移転を確実に実施するという一種の経営判断にあったことなどから,上記賃貸借契約の解約が上記事業の明渡しによるものということはできないとして,上記賃貸借契約と上記定期建物賃貸借契約との明渡期限までの家賃の差額が,都市再開発法97条1項にいう「通常受ける損失」に当たらないとされた事例
2第一種市街地再開発事業の施行区域内の建物に係る賃貸借契約が明渡期限より前に解約され,明渡期限まで別の賃借人との間で新たに定期建物賃貸借契約が締結されていた場合において,明渡期限後の家賃の減収分の補償額につき,同事業における補償基準等に定められた「従前の建物の家賃」を基準とする補償額よりも,上記補償基準等における空室補償による場合の補償額の方が高く,上記空室補償に係る規定が上記定期建物賃貸借契約を締結した後に定められたものであり,原告において,定期建物賃貸借契約を締結するか,空室補償を得るべきかの適切な選択が必ずしもできない状態にあったなどの事情の下では,上記補償基準等をそのまま適用することは合理的とはいい難く,上記空室補償に相当する金額によるとされた事例
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/535/087535_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87535
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判示事項(by裁判所):
1トルコとの国境付近からシリアに渡航することを計画していたジャーナリストに対する旅券法19条1項4号に基づく一般旅券の返納命令に裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとはいえないとされた事例
2旅券法19条1項4号に基づく一般旅券の返納命令につき,行政手続法13条2項1号所定の聴聞を要しない場合に該当するとされた事例
3旅券法19条1項4号に基づく一般旅券の返納命令により旅券を返納した者の新たな旅券の発給申請に対する一般旅券の発給処分において同法5条2項に基づく渡航先の制限をしたことに裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとはいえないとされた事例
要旨(by裁判所):1トルコとの国境付近からシリアに渡航することを計画していたジャーナリストに対し外務大臣がした旅券法19条1項4号に基づく一般旅券の返納命令は,当時のシリアの情勢が,紛争状態を呈し,各勢力による衝突,襲撃や拉致等が発生して多数の死傷者が出ており,外務省から退避勧告の危険情報が発出され,過激派勢力が2名の邦人を殺害したとする映像を公開して今後も邦人の殺害を継続する旨を表明するなどの状況にあったこと,上記ジャーナリストが,シリアへの渡航計画について一般の新聞による取材及び報道を受け,その実名及び顔写真と共に渡航の時期や経路がインターネット等のメディアを通じて配信され,拡散するおそれがある状況に陥っていたこと,上記ジャーナリストが,外務省からの渡航中止の要請にもかかわらずシリアへの渡航の意思を維持していたことなど判示の事情の下では,上記ジャーナリストの生命・身体を保護するためにシリアへの渡航を中止させる必要があり,かつ,そのためには旅券を返納させる必要があるとした同大臣の判断において,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとはいえない。
2前項の一般旅券の返納命令につき,外務大臣において,聴聞の通知により旅券の返納命令が予定されていることを知った対象者が予定を繰り上げて出国することを聴聞の実施まで確実に阻止する手段がなく,また,対象者が自己の所在を隠した場合には返納命令を官報に掲載した上で旅券の効力を失わせることが考えられるものの,出国予定日までの残された期間に鑑みるとこのような方法によっても対象者の渡航を中止させることは困難であったなど判示の事情の下では,国民の生命・身体の保護という旅券法19条1項4号が目的とする公益を図る上で,緊急に不利益処分としての旅券の返納命令をする必要があるため,聴聞の手続を執ることができないとき(行政手続法13条2項1号)に該当する。
3第1項の一般旅券の返納命令により旅券を返納した対象者の新たな旅券の発給申請に対する一般旅券の発給処分において,外務大臣が旅券法5条2項に基づき渡航先をイラク及びシリアを除く全ての国と地域に制限したことは,シリアの情勢が上記申請がされた時点においても安定化していたとはいえないこと,外務省はイラクについても退避勧告の危険情報を発出していたこと,対象者自身が上記申請に当たり,今後半年又は1年くらい様子をみるため渡航はしないつもりである旨を記載した書面を提出し,イラク及びシリアに渡航する意向及び必要性等を具体的に示していなかったこと,対象者としては渡航先の制限を受けた後も同法9条に基づき渡航先の追加を図る余地がないものではないことなど判示の事情の下では,同大臣の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとはいえない。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/534/087534_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87534
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事案の概要(by Bot):
本件は,発明の名称を「二次元コード,ステルスコード,情報コードの読み取り装置及びステルスコードの読み取り装置」とする後記本件特許権を有する原告が,被告エヌ・ティ・ティ・データ(以下「被告NTTデータ」という。)がその余の被告ら(以下「被告金融機関ら」という。)に対して別紙物件目録記載1の二次元コードによるトランザクション認証機能(以下「本件認証機能」という。)を実現するソフトウェアを提供し,被告金融機関らが同ソフトウェアを利用等する行為につき,後記本件特許権の侵害(被告NTTデータについては予備的に間接侵害)を主張して,被告NTTデータに対し,本件特許権に基づき,本件認証機能を実現するソフトウェアの提供,提供の申出の差止め,不法行為に基づく損害賠償請求として,損害金2400万円のうちの一部である1200万円及びこれに対する平成29年2月9日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,被告金融機関らに対し,本件特許権に基づき,同二次元コードを生成して,利用者の端末に送信し,同端末上の取引画面に表示させる行為(同二次元コードの生産行為)の差止め,並びに不法行為に基づく損害賠償請求として,損害金各240万円の一部である120万円及びこれに対する平成29年11月22日(訴えの変更申立書送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/533/087533_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=87533
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判示事項(by裁判所):
精神保健指定医に対する指定取消処分の執行停止の申立てにつき,行政事件訴訟法25条2項所定の「重大な損害を避けるため緊急の必要」があると認められた事例
要旨(by裁判所):精神保健指定医に対する指定取消処分(本件処分)による申立人の精神科医師としての社会的信用の低下,患者やその家族との信頼関係の毀損,申立人が経営する医療法人への経済的打撃等の損害は,いずれも回復が容易ではなく,その程度も大きいといえることに加え,指定医制度の趣旨等に照らしても,申立人を個々の患者との関係で指定医から排除する必要性が高いとはいえず,かえって,本件処分により地域の精神科医療に相当の支障が生じるなど公益に反する事態となるおそれがあることなどを考慮すると,本件処分により申立人が被る損害は,社会通念上,行政目的の達成を一時的に犠牲にしてもなお救済しなければならない程度に重大なものであると認めるのが相当であり,したがって,本件においては,本件処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるというべきである。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/532/087532_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87532
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判示事項(by裁判所):
1土地区画整理事業の施行者が,事業計画の決定後に,高規格堤防の整備事業と共同して実施する旨の協定を河川管理者との間で締結した場合において,上記事業計画の定める設計の概要を変更する手続を経ずにされた仮換地の指定が違法なものとはいえないとされた事例
2高規格堤防の整備事業と共同して実施することとされた土地区画整理事業における仮換地の指定が,行政権を濫用した違法なものとはいえないとされた事例
3仮換地の指定の時点において,同指定に係る土地上に使用借権を有し,同土地上の建物の敷地として使用していた者について,仮換地指定の取消しを求める法律上の利益が認められた事例
要旨(by裁判所):1土地区画整理事業の施行者が,事業計画の決定後に,高規格堤防の整備事業と共同して実施する旨の協定を河川管理者との間で締結した場合において,上記事業計画の定める設計の概要を変更する手続を経ずにされた仮換地の指定は,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,違法なものとはいえない。
(1)上記仮換地の指定が土地区画整理事業に係る工事のため必要があるとしてされたものであった。
(2)上記協定の締結によっても,土地区画整理事業における盛土造成工事のため必要があるという要件に欠けるところがない。
(3)上記協定の締結により,仮換地の具体的内容(位置や地積)を変更する必要が生じていない。
2高規格堤防の整備事業と共同して実施することとされた土地区画整理事業における仮換地の指定は,高規格堤防の完成後に施行地区内の宅地が高規格堤防特別区域に指定されて河川法上の制約を受けるという,土地区画整理事業自体がもたらす本来的な権利の変動を超える権利の制約を可能にするものであるとしても,次の(1)〜(5)など判示の事情の下では,行政権を濫用した違法なものとはいえない。
(1)上記高規格堤防の整備事業を実施する河川管理者が,土地区画整理法100条の2に基づく管理として,土地区画整理事業の施行者との関係において,上記共同実施に係る工事を行う権原を有していた。
(2)一般に,公共施設(河川)である堤防の整備を土地区画整理事業として行うことは不可能ではない。
(3)上記土地区画整理事業が,都市計画法13条1項柱書により,上記高規格堤防の整備を行うことを定めた河川整備計画に適合するように行われるべきものであった。
(4)上記土地区画整理事業の施行地区について市街地としての改善の必要性が認められ,上記仮換地の指定の前提となる事業計画自体には瑕疵がなかった。
(5)高規格堤防特別区域内の土地に対する権利の制約の程度が一般の河川区域内の土地に比べて低いなど,上記河川法上の制約が必ずしも重大なものとはいえない。
3仮換地の指定の時点において,同指定に係る土地上に使用借権を有し,同土地上の建物の敷地として使用していた者は,土地区画整理法99条1項により,同土地に係る仮換地指定によってその使用ができないこととなるから,上記仮換地の指定の取消しを求める法律上の利益を有するものといえ,このことは,同土地上の建物が除却済みであっても変わりはない。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/531/087531_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87531
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判示事項(by裁判所):
10棟の建物から構成される共同住宅が建築基準法施行令1条1号にいう「一の建築物」に当たるものとは認められないとされた事例
要旨(by裁判所):10棟の建物から構成される共同住宅(各棟とも鉄筋コンクリート造地上6階,地下2階)について次の(1)〜(3)など判示の事情が認められるときは,社会通念上,一体性があるとはいえず,建築基準法施行令1条1号にいう「一の建築物」に当たらない。
(1)各棟ごとに屋根,柱,壁等を有しており,各棟を接続する通路は地下1階よりも上階に存在せず,地表部分のうち地上2階以上は各棟の間に約2.5mの離隔があることからすれば,外観上,それぞれ別個の建築物といえること
(2)物理的に応力を伝える連結方法がされているのは地下2階のみであり,地下1階以上の接合部においては相互に応力を伝えない構造方法であるエキスパンションジョイントを用いられていることからすれば,構造上の独立性を有すること
(3)居住者は,平常時の利用方法において,一部の棟に存在するエントランス部分や利便施設を共用するが,各棟の住居部分には独立した専用設備が設けられ,居住者が相互に共用するという要素に乏しく,避難経路に関して個別性が確保されており,機能上の一体性の程度は高いものではないこと
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/530/087530_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=87530
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要旨(by裁判所):
1事案の概要
本件は,いわゆる新65期司法修習生であった原告らが,主位的に,裁判所法改正(以下,同改正を「本件改正」という。)による給費制の廃止は違憲無効であり,本件改正後も本件改正前の裁判所法が効力を有する一方,原告らは違憲無効な立法行為等により本来受給できるはずの給費を受けることができなかったと主張して,本件改正前の裁判所法による給費受給権を有する地位に基づく給与の支払請求又は,国家賠償法1条1項に基づく逸失利益及び慰謝料の損害賠償請求として,予備的に,損失補償による正当な補償(給費相当額)の請求として,被告に対し,各原告それぞれに1万円の支払(各請求の一部請求)を求める事案である。本判決は,原告らの請求はいずれも認められないとして,棄却するものである。
本件の争点は,本件改正法が違憲無効か,本件改正が国家賠償法上違法か,本件改正後給費制を復活しなかった立法不作為が国家賠償法上違法か,損失補償の適用があるかである。
2本件改正法が違憲無効か
?この点につき,原告らは,統一司法修習及び給費制は憲法が要請する制度であり,司法修習生が給費を受ける権利は司法権の本質及び司法修習生の地位等に基づく憲法上の要請として保障されており,また,司法修習生が給費を受ける権利は憲法の個別の条項(人格権としての給費を受ける権利(憲法13条),法曹になる職業選択の自由(憲法22条1項),生活保障(憲法25条),職務に従事するうえでの代価補償(憲法27条))によっても保障されているところ,本件改正法はこれらの憲法上の権利を侵害するものとして違憲無効である,また,本件改正法は,原告ら新65期司法修習生と,給費を受けた現行65期司法修習生・新64期司法修習生との間,給与を受けて研修を行う裁判所書記官研修生との間において,不合理な差別を行うもので,法の下の平等(憲法14条)に反し違憲無効である,と主張する。
?しかし,「司法権の本質及び司法修習生の地位等に基づく憲法上の要請として司法修習生の給費を受ける権利が保障されている」との主張については,憲法に司法修習及び給費制に係る条項はないのであるから,憲法は法曹養成についていかなる具体的な制度を採用すべきかについて定めておらずこれを立法に委ねており,統一司法修習や給費制が憲法上保障されているものとは解されない。また,原告らの指摘するように,司法権を担うに足る法曹三者を養成し,それを通じて国民の裁判を受ける権利その他の諸権利を保護することが憲法上要請されるとしても,給費制の採用がそのような要請を満たすための不可欠のものとして当然に導かれるものではなく,本件改正後の法曹養成制度がそのような要請を満たさないものとは認められないから,原告らの指摘から給費制が憲法上要請されているとまではいえない。
?また,「憲法の個別の条項により保障された給費を受ける権利」が侵害されたとの主張については,原告らの主張する人格権としての給費を受ける権利は,国に対する給付請求であるから,根拠法規が必要であるところ,自由権の包括的な根拠規定である憲法13条によって根拠法規と解することはできない,本件改正法の下でも司法試験に合格し司法修習を終えれば法曹になることができるのであり,司法修習生に課される修習専念義務や兼業禁止等の制約は,司法修習の本質に基づくものであり,司法修習生となることを選択したことに内在する制約であって,法曹になる職業選択の自由が本件改正法により侵害されたとは認められない,生活保障については,給費制を定めた本件改正前の裁判所法67条は生存権を保障した規定ではないから本件改正法が憲法25条に反するとはいえない,職務に従事するうえでの対価補償については,司法修習生は国に対して労務を提供する勤労者ではないから,対価を請求する根拠がないというべきであって,いずれについても原告らの主張を採用することはできない。
?さらに,平等権に反するとの主張についても,現行65期,新64期司法修習生と原告ら新65期司法修習生との間に生じた差異は,本件改正法の施行により必然的に生じたものであり,本件改正法にはその改正の趣旨及び立法に至る経緯に照らし合理性が肯定できるから,上記差異はいずれも憲法14条に反するとは認められない。
裁判所書記官研修生との差異については,裁判所書記官研修生は国家公務員であり,その研修は将来就くべき職責を十分に果たすための知識と能力を身に着けるために行うものであって,研修の後には裁判所書記官となることが予定されているのであって,司法修習生とはその身分地位,研修の内容や位置づけ等が全く異なるから,その結果各種相違があるのは当然であり,両者の差異が不合理な差別であるとは認められない。
?以上のとおり,司法修習生に修習期間中一定の給費を支給すべきという意見は,制度論として一つの傾聴すべき見解ではあっても,司法修習生が給費を受ける権利が憲法上保障されているものとは認められず,これを廃止することが平等権を侵害するものとも認められないから,本件改正法は憲法に反しない。
3本件改正及び本件改正後給費制を復活しなかった立法不作為が国家賠償法上違法か
立法行為又は立法不作為が国家賠償法上違法となるのは,憲法違反であることが明白であるにもかかわらず,立法行為や立法不作為を行った場合に限られるところ,上記2のとおり,本件改正法に憲法違反は認められないため,本件改正及び本件改正後給費制を復活しなかった立法不作為が国家賠償法上違法であるとは認められない。
4損失補償の適用があるか
原告らは自ら司法修習生になることを選択しており,原告らが指摘する,修習専念義務や兼業禁止等により修習期間中労働等により財産を獲得することができなくなる等の制約は,司法修習生になることを選択したことに必然的に伴う内在的な制約であるから,原告らの財産権が強制的に制限されたとはいえないし,それが公共のために用いられたとも,特別の犠牲に該当するともいえないから,損失補償の適用はない。
5結論
以上のとおり,原告らの主張はいずれも採用できないから,その請求はいずれも棄却すべきである。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/529/087529_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87529
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