Archive by category 最新判例(審決取消以外)

【下級裁判所事件:威力業務妨害,わいせつ文書頒布被告 事件/広島高裁1/令2・2・18/令1(う)146】結果:棄却

要旨(by裁判所):
封筒に「出て行け」などと記載した文書とともに人糞を入れて外国公館に郵送した行為につき,刑法234条の「威力を用いて」に該当するとして威力業務妨害罪の成立を認めた第1審判決が維持された事例

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/490/089490_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89490

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【下級裁判所事件:過失運転致傷被告事件/広島高裁1/令2 2・13/令1(う)135】結果:破棄差戻

要旨(by裁判所):
反対車線に進出して対向車両2台に相次いで衝突したとされる過失運転致傷の公訴事実について,実況見分調書中には対向車両を運転していた被害者Bの指示説明によらない記載があるとして当該部分を証拠排除し,被害者A,Bの目撃証言の信用性を否定して被告人を無罪とした原判決には,対向車両を運転していた被害者Aの証言や,その裏付けともなる工学鑑定の信用性等の評価の誤りがあるとして事実誤認を理由に破棄した上,実況見分調書の虚偽記載に関し,刑訴法435条1号,7号所定の再審事由の有無等について更なる審理の必要性を指摘して差し戻した事例

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/489/089489_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89489

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【★最決令2・4・16:終局決定変更申立て却下決定に対す 抗告棄却決定に対する許可抗告事件/令1(許)14】結果:破棄差

判示事項(by裁判所):
ハーグ条約実施法の規定する子の返還申立事件に係る家事調停における子を返還する旨の定めと同法117条1項の類推適用

要旨(by裁判所):
裁判所は,ハーグ条約実施法の規定する子の返還申立事件に係る家事調停において,子を返還する旨の調停が成立した後に,事情の変更により同調停における子を返還する旨の定めを維持することを不当と認めるに至った場合は,同法117条1項の規定を類推適用して,当事者の申立てにより,上記定めを変更することができる。

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/488/089488_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89488

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【下級裁判所事件:現住建造物等放火,器物損壊,威力業 務妨害,非現住建造物等放火/東京高裁11刑/令2・4・22/令2(う)162 】結果:棄却

裁判所の判断(by Bot)

そこで検討すると医師は被告人の面接などを行って鑑定を行っているが以下のとおりこの鑑定には鑑定の時期鑑定資料等の問題がありその診断根拠からも病的放火が犯行に直接の影響を与えた旨の医師の鑑定意見は各犯行当時の被告人の責任能力判断にあたり参考となる価値は低いといえる。すなわち1被告人の精神鑑定は原判示第2の事実で起訴された後原判示第3の事実で起訴される前に原判示第2及び原判示第3の犯行時における被告人の精神障害の有無や犯行に及ぼした影響について面接等を行った結果に基づくものでありその時点で原判示第1の犯行なお原判示第1の犯行は時系列的には原判示第2及び第3の犯行より前に行われている。に関する精神鑑定はその時点では行われていないこと2医師が面接した時点で被告人は原判示第2の犯行を否認しており医師は各犯行とは別の被告人の放火体験なども聴取して鑑定を進めた旨述べるなど主に被告人の述べる放火の繰り返しに着目した考察をしているにすぎず本件各犯行時の具体的な心理状態に着目して考察したものでないこと3医師は被告人の公判供述を踏まえて原判示第1も含めた各犯行時の被告人の精神状態等について証言しているが被告人の公判供述自体が犯行を否認するものや主観面を争うもので原判決において信6用性に疑問が示されていること4医師は病的放火が直接犯行に影響したという鑑定意見を述べているが病的放火の診断自体が放火を繰り返した事案の中で他の病気によるものを除くなどしておこなわれるもので一種の消去法で判断されるという意味で症状に幅のあり得るものであり病的放火という精神障害だけから衝動性の程度や行動の制御への影響を考察できるものではないことなお医師は病的放火の事案の精神鑑定をした経験や臨床医としてそのよう以下略

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http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89487

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【下級裁判所事件:再審請求棄却決定に対する即時抗告申 立事件/大阪高裁4刑/令2・3・24/平29(く)121】結果:棄却

裁判所の判断(by Bot):

1A1くず湯事件につき,A1の陳述録取書(新弁4)の新規性・明白性を認めなかった原決定の判断は正当として是認することができる。また,カレー毒物混入事件についての新証拠のうち新弁1,10から19,24から29,81,82について新規性を否定し,また,新規性が否定された新証拠を含め,同事件に関し原審に提出された新証拠につき,いずれも明白性を否定した原決定の判断も正当として是認することができ,これらに当審で提出された新証拠(別紙2当審新証拠一覧表のとおり)を加えて検討しても,これを改める必要を認めない。以下,その理由について補足して説明する。
2A1くず湯事件について所論は,A1の陳述録取書(新弁4)における陳述内容は,確定審における同人の証言の信用性を強く補強するものであって,新規性の要件を具備していることが明らかであるし,同証拠と確定審の証拠を総合的に判断すれば,請求人が無罪であることは明らかであって,明白性の要件も充足している旨主張する。しかしながら,A1の陳述録取書(新弁4)の内容が,控訴審における同人の証言内容と実質的に同一であって,新規性を欠くことは,原決定が適切に説示するとおりであり,確定審で取り調べられた証拠に同新証拠(新弁4)を加えて総合評価しても,A1くず湯事件につき,請求人の犯人性及び殺意を認めた確定判決の事実認定に合理的な疑いが生じる余地はなく,明白性が認められないことも,原決定が説示するとおりである。所論は採用できず,論旨は理由がない。
3カレー毒物混入事件について(1)新規性について所論は,F1の陳述録取書(新弁1)における陳述内容は,同人が平成14年2月9日にした証言より詳細にして具体的であり,G1(新弁10),H1(新弁11から14),I1(新弁15から19),J1(新弁24,25),K1(新弁26)及びB1(新弁(以下略)

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/486/089486_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89486

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【知財(商標権):商標権侵害行為差止等請求控訴事件/知財 高裁/令2・3・19/令1(ネ)10049】控訴人兼被控訴人:2,INC.(以下 被控訴人:2,INC.(以下

事案の概要(by Bot)
第1事件は原判決別紙第1事件商標目録記載1の商標の商標権者であるFC2がドワンゴによる原判決別紙第1事件標章目録記載の標章の使用が商標権侵害及び不正競争行為に当たると主張してドワンゴに対し不正競争防止法3条1項に基づき原判決別紙第1事件ウェブサイト目録記載の各ウェブサイト及び乙ウェブサイトのメタタグにおける乙標章の使用の差止めを求めるとともに民法709条商標法38条2項3項及び不正競争防止法5条3項に基づき1億円一部請求及びこれに対する損害賠償請求の対象である不法行為が終了した日である平成28年9月30日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。第2事件は原判決別紙第2事件商標目録記載の商標の商標権者であるドワンゴがFC2による原判決別紙第2事件標章目録記載の各標章の使用が商標権侵害に当たると主張してFC2に対し商標法36条に基づき原判決別紙第2事件ウェブサイト目録記載の各ウェブサイトにおける甲標章の使用の差止め及び削除を求めるとともに民法709条及び商標法38条2項3項に基づき2332万8000円一部3請求及びこれに対する不法行為の後の日訴状送達の日の翌日である平成28年12月13日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。なおドワンゴは第2事件における損害賠償請求に関し訴状では平成25年10月1日から平成28年9月末日までのFC2によるブロマガの配信サービスの購読料に基づく損害として請求したが平成31年2月7日の原審第20回弁論準備手続期日において請求の原因を変更し平成25年10月1日から平成30年6月末日までのFC2によるブロマガの配信サービス以下略

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http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=89485

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【知財(不正競争):販売差止等請求控訴事件/知財高裁/令2 3・24/令1(ネ)10072】控訴人:ンテック(株)同訴/被控訴人:

事案の概要(by Bot):
本件は,控訴人(一審原告)が,商品開発に係る契約の相手方であった被控訴人(一審被告)に対し,1被控訴人は契約の約定に違反して控訴人の有していたノウハウを活用し被告製品を販売したと主張して,契約の約定に基づく被告製品の販売等の差止め等及び債務不履行に基づく損害賠償を求めるとともに,2上記ノウハウを使用することが不正競争行為(不正競争防止法2条1項7号)に該当すると主張して,同法3条1項及び2項に基づく被告製品の製造,販売等の差止め,半製品及びカタログ等の廃棄,被控訴人のホームページからの被告製品に関する掲載情報の削除,原告営業秘密の第三者への開示の禁止及び原告営業秘密が記録された媒体の廃棄等並びに同法4条に基づく損害賠償を求めた事案である。
原審は,1被告製品が上記約定の定める製品に該当せず,2不正競争防止法2条1項7号にいう,営業秘密を「示された」者がそれを「使用」したとの要件に当たらないとして,控訴人の請求を全て棄却したことから,控訴人が本件控訴を提起した。

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【下級裁判所事件:石木ダム建設工事並びに県道等付替道 路工事続行差止請求事件/長崎地裁佐世保支部/令2・3・24/平29( )24】結果:棄却

事案の概要(by Bot):
第1請求被告らは別紙4工事目録記載の工事を続行してはならない。第2事案の概要本件は,原告らが,被告らが進めている「二級河川川棚川水系石木ダム建設工事並びにこれに伴う県道,町道及び農業用道路付替工事」(以下「本件事業」という。)に係る別紙4工事目録記載の工事(以下「本件工事」という。)により,憲法上の権利又は人格権の一種として認められている原告らの生命・身体の安全,人間の尊厳を維持して生きる権利,良好な環境の中で生活を営む又はそのような環境を享受する権利,税金を有効かつ適切に利用される権利等が違法に侵害されると主張して,被告らに対し,これらの権利に基づく妨害排除又は妨害予防請求として,本件工事の続行の禁止を求めた事案である。

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http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89483

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【知財(特許権):特許権侵害差止等請求事件/大阪地裁/令2 2・20/平30(ワ)3226】

事案の概要(by Bot):
本件は,1発明の名称を「椅子式施療装置」とする発明に係る特許権,2発明の名称を「椅子式マッサージ機」とする発明に係る特許権及び3発明の名称を「椅子式マッサージ機」とする発明に係る特許権を有する原告が,被告の製造,販売等に係る別紙物件目録記載112の各マッサージ機(以下,目録の番号順に「被告製品1」などといい,これらを併せて「被告各製品」という。)に関して,被告製品18については本件特許Aの請求項1に係る発明(以下「本件発明A」という。)の,被告製品15,812については本件特許Bの請求項1及び2に係る各発明(以下,請求項の番号順に「本5件発明B1」などといい,これらを併せて「本件各発明B」という。)の,また,被告製品1及び2については本件特許Cの請求項15に係る各発明(以下,請求項の番号順に「本件発明C1」などといい,これらを併せて「本件各発明C」という。)の技術的範囲にそれぞれ属するとして,被告に対し,以下の各請求をする事案である。

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/482/089482_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
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【下級裁判所事件:監禁,保護責任者遺棄致死/大阪地裁7 /令2・3・12/平30(わ)124】

罪となるべき事実(by Bot):
被告人両名は
第1 共謀の上,平成19年3月12日頃,大阪府寝屋川市(住所省略)当時の被告人両名方敷地内に所在する本件プレハブ小屋内に設置した,内側から解錠できない扉及び監視カメラを備えた本件居室内でAを生活させるに当たり,前記扉を基本的に外側から施錠し,その動静を前記カメラで監視するなどし,その頃から平成29年12月18日頃までの間,同人を前記居室内から脱出不能にさせ,もって人を不法に監禁し
第2 その実娘であるAを前記のとおり監禁していたものであるが,平成29年12月上旬頃,本件居室の暖房装置に接続されたサーモスタットを前年の冬期よりも低温に設定したため本件居室内の室温が低下し,同人が極度にやせた状態で,かつ,衣服を身に着けることなく生活していたことを認識したのであるから,同暖房装置を操作して本件居室内の室温を適切に管理し,かつ,医師による治療を受けさせ,十分な栄養を摂取させるなどのAの生存に必要な保護を与えるべき責任があったにもかかわらず,共謀の上,その頃以降,本件居室内において,同人に対し,同暖房装置を操作して本件居室内の室温を適切に管理し,かつ,医師による治療を受けさせ,十分な栄養を摂取させるなど生存に必要な保護を与えずに放置し,よって,同月18日頃,本件居室内において,同人を低栄養及び寒冷環境曝露により凍死させたものである。

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/480/089480_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89480

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【下級裁判所事件:詐欺,詐欺未遂/大阪地裁7刑/令2・2・1 9/平29(わ)3106】

罪となるべき事実(by Bot):
第1【平成29年8月21日付け起訴状記載の公訴事実】被告人Xは,学校法人P学園(以下「P学園」という。)の理事長として,その業務全般を統括していたもの,被告人Yは,P学園のため,被告人Xが行う業務を補佐するなどしていたものであるが,P学園が大阪府豊中市(住所省略)所在の土地に小学校の校舎等を建設することに関し,有限会社A1(以下「A1」という。)の取締役であるA2らが,国土交通省から事務事業者に選定された一般社団法人B1(以下「B1」という。)が先導的な木質化建築事業を実施する建築主等に対して補助金対象事業の採択以降に着手した実施設計及び建設工事を対象として交付する間接補助金である「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)補助金」(以下「サステナブル補助金」という。)について,P学園の代理人として,あらかじめ同省及びB1に対して,実際の設計報酬額及び予定された工事代金額よりも過大な見積額を記載した設計見積書及び工事見積書と共に事業提案申請書を提出するなどして,同省に平成27年9月4日付けで補助限度額を6194万4000円として同事業提案を採択させ,さらに,B1に同年10月8日付けで平成27年度分の補助金交付予定額を5644万8000円と決定させていたところ,被告人両名は,B1からサステナブル補助金をだまし取ろうと考え,A2らと共謀の上,真実は,平成26年7月頃にP学園とA1との間で報酬額を3200万円(税抜)とする建築設計・監理業務委託契約を締結した上で,遅くとも平成27年3月頃には実施設計に着手していたのに,かつ,同年12月頃にP学園とC1株式会社(以下「C1」という。)との間で締結した建設工事請負契約の工事代金額は14億4000万円(税抜)であったのに,平成28年2月下旬頃,京都市内から東京都港区(住所省略)所在のB1事務所に対し(以下略)

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/479/089479_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89479

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【下級裁判所事件:伊方原発3号機運転差止仮処分命令申 却下決定に対する即時抗告事件/広島高裁4/令2・1・17/平31(ラ)48 】結果:その他(原審結果:却下)

要旨(by裁判所):
発電用原子炉施設である伊方発電所(本件発電所)から約三十数km又は約四十数kmの距離に住む抗告人らが,本件発電所3号機の原子炉(本件原子炉)及びその附属施設(本件原子炉施設)には地震,火山の噴火等に対する安全性に欠けるところがあるとして,人格権に基づいて本件原子炉の運転の差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案において,次のとおり判断して,申立てを却下した原決定を取り消し,本案訴訟の第一審判決の言渡しまでの間,本件原子炉の運転の差止めを命じた事例。
1抗告人らは,本件原子炉施設について放射性物質が外部へ放出される事故が起こったときに,その生命,身体等に直接的かつ重大な被害を受けるものと想定される地域に居住する者であるから,当該発電用原子炉施設の設置運転の主体である相手方において,原子炉の運転によってその生命,身体等に対する侵害が生ずる具体的危険が存在しないことについて相当の根拠,資料に基づき,主張・疎明を尽くさない場合には,上記の具体的危険の存在が事実上推定されるというべきである。ただし,相手方は規制委員会から本件原子炉施設が新規制基準に適合するとして発電用原子炉設置変更許可を受けており,この適合性の審査において,多方面にわたる極めて高度な最新の科学的,専門技術的知見に基づく総合的判断が必要であることなどに照らすと,現在の科学技術水準に照らし,当該具体的審査基準に不合理な点のないこと,及び当該発電用原子炉施設が上記審査基準に適合するとした規制委員会の判断について,その調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤,欠落がないなど,不合理な点がないことを相当の根拠,資料に基づき主張,疎明すれば,上記の主張・疎明を尽くしたということができる。
2中央構造線断層帯長期評価(第二版)には,本件発電所敷地沿岸部における活断層の有無に関する相手方の海上音波探査が不十分であることを前提とした記載があり,また,本件発電所敷地から2km以内の距離にあると考えられる地質境界としての中央構造線が活断層である可能性をうかがわせる事情が認められるのに,本件発電所敷地沿岸部における活断層の有無についてそれ以上の調査を行わずに活断層はないと判断して,活断層が敷地に極めて近い場合の地震動評価を行わず,規制委員会はこれを問題ないと判断したものであるから,上記規制委員会の判断には,その過程に過誤ないし欠落があったといわざるを得ず,相手方は,上記の点につき上記1の具体的危険の不存在についての主張・疎明を尽くしたとはいえない。
3新規制基準のうち,火山事象の影響による危険性に関する内規である火山ガイドは,検討対象火山の噴火の時期及び程度が相当前の時点で予測できることを前提とする点において不合理であり,したがって,阿蘇カルデラの破局的噴火により,阿蘇カルデラからの火砕流が本件発電所敷地に到達する可能性が十分に小さいとはいえず,また,本件原子炉の運用期間中に阿蘇カルデラの破局的噴火が発生する可能性が十分に小さいともいえないけれども,そのことのみをもって本件原子炉を立地不適とすることは社会通念に反する。しかし,阿蘇カルデラの破局的噴火に至らない程度の最大規模の噴火(噴出量数十km3)の可能性は考慮すべきであって,そうすると,相手方による降下火砕物の想定は過小であり,これを前提として算定された大気中濃度の想定も過小であって,このような過小な想定を前提としてなされた本件原子炉に係る原子炉設置変更許可等の申請及びこれを前提とした規制委員会の判断も不合理であって,相手方は,上記の点につき上記1の具体的危険の不存在についての主張・疎明を尽くしたとはいえない。

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/478/089478_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89478

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【下級裁判所事件:入札談合等関与行為の排除及び防止並 びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法 律違反/福岡地裁小倉支部/令2・3・23/平31(わ)135】

罪となるべき事実(by Bot):
被告人は,築上町環境課長として,ごみ処理及びし尿に関する業務を掌理し,同町が発注する同課所管のし尿処理施設建設工事の入札において,入札参加資格条件を検討・提案する職務等に従事していた者であるが,その入札等に関する職務を適正に行う義務があるのに,これに反し,平成28年7月19日(以下特に記載のない限り,日付は平成28年のことを指す。)に同町が執行した築上町し尿処理施設建設工事(以下「本件工事」という。)の条件付一般競争入札(以下「本件入札」という。)に関し,電気,土木,清掃施設,機械器具設置工事等を業とする株式会社Aに本件工事を落札させる目的で15月下旬頃から6月20日頃までの間,福岡県築上郡築上町大字ab番地築上町役場a支所において,本件入札に係る入札参加資格条件の案文を作成するに当たり,株式会社Aによる業者間の談合が容易になるよう入札参加資格を有する業者を少なくするため,建設業法27条の29の規定に基づく総合評定値の要件について,「土木一式工事」及び「機械器具設置工事」の2業種で「800点以上」などとしていた案に,「清掃施設工事」を追加し,3業種のいずれも「900点以上」に変更した案文を作成するなどし,同月20日,築上町長をして,同案文どおりの入札参加資格条件に決定させ27月上旬頃,福岡県内又はその周辺において,株式会社Aの意向を受けた築上町議会議員Bに対し,面談又は電話で,入札に関する秘密事項である本件入札への参加資格確認申請を行った入札参加予定業者数及び同業者名を教示しよって,同月19日,本件入札において,株式会社Aをして,本件入札の最低制限価格7億5742万円(税抜き)を上回る7億9450万円(税抜き)で本件工事を落札させ,もって入札の公正を害すべき行為を行った。

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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/477/089477_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89477

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【下級裁判所事件:不当利得返還請求事件/神戸地裁/令2・ 3・17/令1(行ウ)34】

事案の概要(by Bot):
本件は,原告が平成31年4月7日執行の兵庫県議会議員選挙に立候補するに当たり,公職選挙法が立候補のために必要と定める60万円を供託したが,同法が定める住所要件を満たさず,被選挙権がない者であるとして得票が無効とされ,供託金を没収されたことについて,1被選挙権のない原告の立候補届出を受理し供託金を徴収したことは,法律上の原因がないのに供託金を受領したことになる,2原告は公職選挙法上の住所要件を満たしているから被選挙権があり,したがって原告の得票は有効であるから供託金を没収したことは法律上の原因がなく利得を得たものであるなどと主張して,被告に対し,不当利得返還請求権に基づき60万円の返還を求め,さらに,上記2の主張を前提に,兵庫県選挙管理委員会が,公職選挙法上の住所要件の解釈を誤って供託金を没収したことで,原告に供託金相当額の損害が生じたと主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき60万円の損害賠償を求める事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/476/089476_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89476

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【下級裁判所事件:損害賠償請求事件/名古屋地裁民1/令2 2・17/平27(ワ)4988】

事案の概要(by Bot):
本件は,名古屋市交通局(以下「交通局」という。)に嘱託職員として勤務していたaの母親であり唯一の相続人である原告が,aは交通局における勤務中に受けたいじめ等により中等症うつ病エピソードを発病して平成27年4月13日に自殺した(以下「本件自殺」という。)のであり,交通局には安全配慮義務違反があったなどと主張して,被告に対し,債務不履行又は国家賠償法1条1項に基づく損害賠25償として9056万4859円及びこれに対するaの死亡日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/475/089475_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89475

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(【下級裁判所事件:選挙無効請求事件/広島高裁/令元・11 13/令1(行ケ)2】結果:棄却原告:らの各請求をいずれも棄却す る。/被告:らの負担とする。)

要旨(by裁判所):
主文
1原告らの各請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は原告らの負担とする。
理由の要旨
1本件は,令和元年7月21日の参議院議員通常選挙について,広島県選挙区及び山口県選挙区の選挙人である原告らが,公職選挙法の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であると主張して提起した選挙無効訴訟である。
2投票価値の著しい不平等状態が生じ,かつ,それが相当期間継続しているにもかかわらずこれを是正する措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超える場合には,定数配分規定は憲法に違反するに至るものと解するのが相当である。
3今回の選挙は,平成30年7月の公職選挙法改正後,初めて行われた通常選挙であるところ,同改正は,平成27年8月の公職選挙法改正法附則7条や平成29年最高裁判所大法廷判決を踏まえ,選挙区間の最大較差が平成25年選挙以前のような約5倍もの大きな較差を生ずることのないよう配慮したものであるといえる。
そして,今回の選挙は,平成30年7月の公職選挙法改正後に初めて施行されたものであり,今回の選挙当時の選挙区間の最大較差は3.002倍であったところ,この較差は,それ以前の約5倍の較差を大きく縮小した平成28年選挙当時の選挙区間の最大較差3.08倍に比べて縮小したものとなっていた。
さらに,参議院特別委員会において,参議院選挙制度改革について,憲法の趣旨にのっとり,参議院の役割及び在り方を踏まえ引き続き検討を行う旨の附帯決議がされており,引き続き投票価値の較差を含めた改善が行われることが期待される。
以上のような事情を考慮すると,今回の選挙当時において,定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態,すなわち違憲状態に至っていたとまでは認められない。
平成30年7月の公職選挙法改正は,平成27年8月の公職選挙法改正法附則7条でいうところの「抜本的な見直し」に当たるとはいい難いが,国会内部での意見統合を図ることが困難であったことなどの事情を踏まえると,そのことから直ちに違憲状態であるということはできない。
4もっとも,選挙区間の最大較差は約3倍であり,投票価値の不均衡はなお大きなものであり,現状のような選挙区間の最大較差が継続するときは,違憲状態に至る可能性が高いといわざるを得ない。国会においては,投票価値の平等の重要性を十分に踏まえ,選挙制度について,迅速に,真摯かつ適切な検討を行い,最大較差の更なる縮小を実現することが求められているというべきである。その場合,合区を活用することも考えられるが,合区による解決が困難であれば,従来の選挙制度にとらわれない検討が行われるべきであり,立法府の主体的な意志と叡智が期待されるところである。
5以上によれば,原告らの各請求は,いずれも理由がないからこれを棄却すべきである。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/474/089474_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89474

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【下級裁判所事件:覚せい剤取締法違反,関税法違反被告 事件/札幌地裁/令2・3・18/令1(わ)425】

要旨(by裁判所):
覚せい剤入りの郵便物を日本国内で受領し,更にこれを所持したという覚せい剤取締法違反・関税法違反被告事件において,被告人の覚せい剤についての故意を否定し,無許可の輸入の限度での関税法違反の成立を認め,覚せい剤の所持について無罪とした事例。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/472/089472_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89472

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【下級裁判所事件:殺人被告事件/大津地裁/令2・3・31/平24 (た)3】

概要(by Bot):
本件は,実質的には,検察官・弁護人間で争いのある事件である。本件の争点は,1Aの死因並びに2被告人の捜査段階の自白供述の任意性及び信用性の2点である。
このうち,争点1(Aの死因)について,検察官は,Aは,本件呼吸器からの酸素供給が遮断されたことによる急性低酸素状態によって死亡した旨主張するのに対し,弁護人は,致死性不整脈を含むその他の原因で死亡した合理的な疑いがある旨主張する。換言すれば,両当事者の主張の分岐点は,被告人の犯人性以前に,そもそもAの死亡に事件性が認められるのかという点にある。また,争点2(自白の任意性,信用性)について,検察官は,被告人の捜査段階の自白につき,任意性に疑いがないのはもとより,高い信用性がある旨主張するのに対し,弁護人は,供述の任意性に疑いがあるとして,地乙3ないし23(被告人の警察官調書,検察官調書及び供述書。以下,まとめて「本件自白供述」という。)について証拠排除の申立てをするほか,その信用性も争っている。当裁判所は,争点1について,被告人の自白を除いて検討した結果では,C鑑定等の死因に関する判断部分は信用できず,むしろ,解剖所見や診療経過等を踏まえると,Aが,低カリウム血症に起因する致死性不整脈を含む他の原因で死亡した具体的な可能性があると判断した上,争点2については,本件自白供述は,その信用性に重大な疑義があるばかりか,任意にされたものでない疑いがあるとして,これらを証拠排除することとし,以上を踏まえ,本件については,そもそもAが何者かによって殺害されたという事件性を認める証拠すらなく,犯罪の証明がないことに帰するものと結論付けた。以下,その理由について詳述する。第3Aの死因(争点1)被告人の自白供述を除く関係証拠の下で検討すると,C鑑定等のうち,Aの死因が人工呼吸器の管の外れ等に基づく酸素供給欠乏であるとする判(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/471/089471_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89471

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【下級裁判所事件:過失運転致死傷/名古屋地裁岡崎支部/ 2・3・19/令1(わ)553】

罪となるべき事実(by Bot):
被告人は,令和元年5月10日午後2時16分頃,普通乗用自動車を運転し,愛知県西尾市ab丁目c番地先の交通整理の行われていない丁字路交差点をd町e方面からf町g方面に向かい右折進行するに当たり,同交差点右折先出口には横断歩道が設置されていたのであるから,自動車の運転者としては,前方左右を注視し,速度を適宜調整し,同横断歩道を利用して道路を横断する歩行者等の有無及びその安全を確認して右折進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,新たな就職口のことを考えて注意が散漫となり,前方左右を注視せず,速度を適宜調整せず,同横断歩道を利用して道路を横断する歩行者等の有無及びその安全確認不十分のまま漫然時速約41.4キロメートルで右折進行した過失により,折から,子どもを幼稚園まで迎えに行くためにA(当時2歳)を抱きかかえながら同横断歩道上を横断歩行中のB(当時33歳)に気付かないまま,自車右前部を同人に衝突させ,その衝撃により前記B及び前記Aを跳ね上げて自車フロントガラスに前記Bの頭部等を衝突させるなどした上,同人らを付近路上に転倒させ,よって,前記Bに外傷性くも膜下出血及び脳腫脹等の傷害を,前記Aに加療約11日間を要する見込みの頭頂部挫創の傷害をそれぞれ負わせ,同月12日午後4時58分頃,同県安城市h町i番地所在のC病院において,前記Bを前記外傷性くも膜下出血及び脳腫脹により死亡させたものである。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/470/089470_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89470

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【下級裁判所事件:過失運転致死/名古屋地裁岡崎支部/令2 ・3・23/令1(わ)526】

罪となるべき事実(by Bot):
被告人は,平成30年4月14日午前10時15分頃,普通乗用自動車を運転し,愛知県西尾市a町bc番地d先道路をe町方面からf町方面に向かい時速約40ないし50キロメートルで進行するに当たり,自動車の運転者としては,前方左右を注視し,進路の安全を確認して進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,左手に持ったスマートフォンの画面に表示させたゲームに気を取られ,同スマートフォンの画面に脇見をし,前方左右を注視せず,進路の安全確認不十分のまま漫然前記速度で進行した過失により,折から進路前方に路外施設に向かい佇立していたA(当時85歳)に気付かないまま,自車左前部を同人に衝突させ,その衝撃により同人を自車ボンネット上に跳ね上げて自車のフロントガラスに同人の頭部を衝突させた上,同人を付近路上に転落させ,よって,同人に多発性外傷の傷害を負わせ,同日午前11時57分頃,同県安城市g町hi番地所在のB病院において,同人を前記外傷により死亡させたものである。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/469/089469_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89469

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